106回薬剤師国家試験 問158解説

 問 題     

骨粗しょう症治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. テリパラチドは、遺伝子組換えヒト副甲状腺ホルモン(1-34)製剤であり、間欠投与で破骨細胞による骨吸収を抑制する。
  2. リセドロン酸は、メバロン酸経路のファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害することで、破骨細胞による骨吸収を抑制する。
  3. ラロキシフェンは、骨組織のエストロゲン受容体を遮断することで、閉経後の骨代謝回転を改善する。
  4. エルカトニンは、骨芽細胞の副甲状腺ホルモン受容体を刺激することで、骨芽細胞による骨形成を促進する。
  5. デノスマブは、RANKL(NF-κB活性化受容体リガンド)を標的とするヒト型IgG2モノクローナル抗体で、RANKLによる破骨細胞の形成を抑制する。

 

 

 

 

 

正解.2, 5

 解 説     

選択肢 1 ですが
テリパラチドは、(フォルテオ(毎日)、テリボン(週一回))は、遺伝子組換え副甲状腺ホルモン誘導体です。この薬は、骨芽細胞の働きを高める骨形成促進剤です。骨吸収抑制ではありません。(105-39)。選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当です。
リセドロン酸は、メバロン酸代謝経路のファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害し、破骨細胞の機能を抑制します。(101-260261)。

選択肢 3 ですが
ラロキシフェンは、エストロゲン受容体を刺激し骨吸収を抑制する骨粗しょう症治療薬です。(105-260261)。エストロゲン受容体「遮断」、「骨代謝回転促進」ではありません。選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
エルカトニンは、カルシトニン製剤の一種です。破骨細胞に作用して骨吸収を抑制します。疼痛除去にも効果が認められているのが特徴です。(105-39)。「骨芽細胞」に作用するわけではありません。選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は妥当です。
デノスマブ(プラリア)は、RANKL を標的としたモノクローナル抗体です。(105-39)。

以上より、正解は 2,5 です。

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