薬剤師国家試験 第105回 問123 過去問解説

 問 題     

食品の腐敗とその防止方法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 魚に含まれるトリメチルアミンが空気に触れて酸化されることにより、魚臭さの原因物質であるトリメチルアミンN-オキシドが生成する。
  2. 塩辛などの塩蔵品は、水分活性を低くすることで腐敗しにくくしている。
  3. カビは、食品の水分活性の値が1.0のときに最も増殖しやすくなる。
  4. 食品添加物のソルビン酸は、食品中の細菌の増殖を抑制する目的で用いられる。
  5. ヒスタミンによるアレルギー様食中毒は、IgE抗体を産生しやすい体質の人にしか起こらない。

 

 

 

 

 

正解.2, 4

 解 説     

選択肢 1 ですが
海水魚の魚臭さには、トリメチルアミン、ジメチルアミンが関与します。これらは、魚体中の
トリメチルアミンオキシドに、細菌類の還元酵素が作用して生成されます。「トリメチルアミンが酸化して、、、」ではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は妥当な記述です。

選択肢 3 ですが
食品中の自由水の割合のことを水分活性と呼びます。細菌は 0.9 、カビは 0.8 ぐらい水分活性があると繁殖します。水分活性が 1.0 だと、カビだけでなく細菌も増殖するため、競争がおき「最も増殖しやすくなる」という記述は不適切と考えられます。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当な記述です。(104-119)

選択肢 5 ですが
腐敗により生成された大量のヒスチジンを摂取するため、IgE 抗体の産生のしやすさとは関係なく起きると考えられます。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2,4 です。

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