薬剤師国家試験 第103回 問186 過去問解説

 問 題     

8歳男児。学校の授業中に先生の話を聞いていない。着席しても落ち着かず、離席もあり、集中できず、ミスが多く、忘れっぽい。休み時間に大声を出したり、動き回ったりし、順番を待つことができない。

知能は正常であるが周囲の子ども達となじめず、親が心配して病院を受診させたところ、注意欠陥・多動性障害と診断された。

この疾患の病態及び薬物療法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. メチルフェニデート塩酸塩徐放錠が使用できる。
  2. アトモキセチン塩酸塩は他の治療薬に比べて依存性が強い。
  3. 環境調節などの配慮の必要はない。
  4. 主症状には、不注意、多動性、衝動性の3つがある。
  5. 主症状は成人期以降に消失する。

 

 

 

 

 

正解.1, 4

 解 説     

選択肢 1 は、正しい記述です。
メチルフェニデート塩酸塩徐放錠(コンサータ)の適応はADHDです。

選択肢 2 ですが
アトモキセチン(ストラテラ)は即効性が無いが、依存性は「低い」という点が特徴です。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
薬物療法と共に注意力を奪うものを取り除く といった配慮が重要です。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は、正しい記述です。

選択肢 5 ですが
症状は年齢と共に軽減していく傾向にあるといった所です。「消失する」とはいえません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1,4 です。

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