薬剤師国家試験 第103回 問187 過去問解説

 問 題     

じん麻疹及び薬疹に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. じん麻疹は、主に血管透過性亢進により生じる。
  2. じん麻疹の症状の1つに、血管性浮腫がある。
  3. じん麻疹の多くは、そう痒感を伴わない。
  4. 中毒性表皮壊死症の早期に発熱はみられない。
  5. Stevens-Johnson症候群の治療には、副腎皮質ステロイド薬の局所投与を行う。

 

 

 

 

 

正解.1, 2

 解 説     

選択肢 1,2 は、正しい記述です。
血管付近の肥満細胞が何らかの原因でヒスタミン放出→ヒスタミンが神経を直接刺激しかゆみを感じる。

また、ヒスタミンの作用により血管拡張し「血管透過性更新」→血管外へ血漿成分が流出→「浮腫」という流れです。

選択肢 3 ですが
さきほどの解説のとおり、肥満細胞から放出されるヒスタミンによる神経の直接刺激によりそう痒(よう)感を伴います。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
中毒性表皮壊死症(T.E.N:Toxic epidermal necrolysis)は、高熱や全身倦怠感等を伴う全身性の疾患です。「早期に発熱が見られない」は明らかに誤りと考えられます。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
原因薬物中止、熱傷の治療の後ステロイド「内服」が行われます。局所投与ではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1,2 です。

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