薬剤師国家試験 第103回 問185 過去問解説

 問 題     

てんかんとその治療に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 脳に器質的な損傷があるために起こる症候性てんかんと、脳に明確な障害がなく原因が特定できない特発性てんかんがある。
  2. 単純部分発作は意識消失を起こす。
  3. 欠神発作は、身体の一部が瞬間的に強く収縮する発作で、意識障害を認める。
  4. てんかんの診断には、脳波検査よりもCTやMRIなどによる頭部画像検査が有用である。
  5. 原発性てんかん患者において抗てんかん薬を中止するには、2年間以上の発作消失が必要である。

 

 

 

 

 

正解.1, 5

 解 説     

選択肢 1 は、正しい記述です。

選択肢 2 ですが
てんかんの発作は、意識消失の有無・程度により次の3つに分類されます。「部分発作(意識消失なし)、欠神(けっしん)発作(数秒間意識消失)、強直間代発作(数分程度の意識消失)」単純部分発作は意識消失を起こさない発作です。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
てんかんの発作は、大きく部分発作と、全般発作に分類することもあります。

欠神発作は、全般性発作の一つです。意識消失し、けいれん等はおきないタイプの発作です。「身体の一部が瞬間的に強く収縮する発作」という記述が明らかに誤りです。

選択肢 4 ですが
てんかんの診断では脳波検査が最も有用な検査です。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は、正しい記述です。
本試験時、ガイドラインにおいて「2年以上発作が寛解してから治療終結を考慮する」とあります。

以上より、正解は 1,5 です。

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