103回薬剤師国家試験 問112解説

 問 題     

図に示す正常ヒト体細胞の細胞周期に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. G1期からS期への移行には、サイクリン依存性キナーゼが関与する。
  2. G1期にある細胞は、G0期と比べてDNA量が4倍となっている。
  3. DNA合成は、G1期に起こる。
  4. G2期に損傷が認められたDNAは、M期に修復される。
  5. 有糸分裂は、M期に起こる。

 

 

 

 

 

正解.1, 5

 解 説     

選択肢 1 は、正しい記述です。
種々のサイクリン及びサイクリン依存性キナーゼが存在し、細胞周期の各段階でそれぞれのタンパク質が関与します。

選択肢 2 ですが
G1 期はギャップ期の一部です。DNA量はまだ G0 期のままです。S期で2倍になります。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
合成は S 期です。ちなみに S はsynthesis の略です。

選択肢 4 ですが
細胞周期には、チェックポイントがいくつかあります。チェックポイントで異常が発見されると次の段階へは進みません。チェックポイントの1つが G2/M チェックポイントです。従って、G期に損傷が認められると M 期に進みません。つまり、M 期に修復されるわけではありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 は、正しい記述です。
ちなみにMがMitotic の略です。有糸分裂の という意味です。

以上より、正解は 1,5 です。
参考 生化学まとめ 体細胞分裂の機構細胞内で情報を伝達する主要なタンパク質

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