薬剤師国家試験 第103回 問18 過去問解説

 問 題     

冬季に患者発生数がピークになる食中毒の病因物質はどれか。1つ選べ。

  1. カンピロバクター・ジェジュニ
  2. ツキヨタケ
  3. 腸炎ビブリオ
  4. ノロウイルス
  5. サルモネラ属菌

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

選択肢 1 ですが
カンピロバクターはグラム陰性桿菌です。らせん菌とよばれ、顕微鏡で見るとくねっとしています。原因は主にお肉です。特徴は少量の菌数で感染がおきるということです。件数は多いですが特に冬季にピークがあるというわけではありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 ですが
ツキヨタケは、イルジンSを主要な毒成分として有するキノコです。シイタケと本当に似ていて間違って食べると、食中毒になります。冬季にピークがあるわけではありません。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
腸炎ビブリオは、好塩性(塩が入っている方が好きな菌。)のグラム陰性桿菌です。主に海水中に生息する細菌です。激しい腹痛を伴う下痢を発症します。嘔吐、発熱を伴うこともあります。冬季にピークがあるわけではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は、正しい記述です。
ノロウイルスは、ウイルスの一種です。RNAウイルスです。冬場、カキなどを由来として食中毒が発生します。食中毒の大きな原因を占めているウイルスです。

選択肢 5 ですが
サルモネラ属菌はグラム陰性桿菌の一種です。サルモネラ菌による食中毒の原因の多くは鶏卵由来です。冬季にピークがあるわけではありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

参考 衛生薬学まとめ 細菌性・ウイルス性食中毒

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