問 題
利尿薬の作用機序に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- インダパミドは、Na+-K+-2Cl–共輸送体を選択的に阻害する。
- ブメタニドは、Na+-Cl–共輸送体を選択的に阻害する。
- トラセミドは、Na+-K+-2Cl–共輸送体を阻害するとともに、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)受容体を遮断する。
- カンレノ酸は、集合管上皮細胞のNa+チャネルの発現を抑制する。
- トリアムテレンは、集合管上皮細胞のNa+チャネルを遮断する。
正解.4, 5
解 説
選択肢 1 ですが
インダパミド(ナトリックス)は、チアジド系類似の降圧利尿薬です。チアジド系利尿薬と同様に遠位尿細管で「Na+Clー」共輸送体を阻害します。その結果、Na+ 再吸収阻害により利尿作用を示します。「Na+-K+-2Clー」共輸送体を選択的に阻害するわけでは、ありません。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
ブメタニド(ルネトロン)は、ループ利尿薬の一種です。「Na+-K+-2Clー」共輸送体を阻害します。「Na+/Clー」共輸送体を
選択的に阻害するわけでは、ありません。
選択肢 3 ですが
トラセミド(ルプラック)は、K 保持性のループ利尿薬です。ANP 受容体遮断作用はありません。ちなみに ANP とは、心房性ナトリウム利尿ペプチド のことです。ANP は、利尿作用を有します。利尿薬であれば、ANP 受容体を遮断ではなく、活性化したりアゴニストとして作用すると考えられます。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4,5 は、正しい選択肢です。
以上より、正解は 4,5 です。
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