薬剤師国家試験 第101回 問154 過去問解説

 問 題     

局所麻酔薬メピバカインに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 構造の特徴からエステル型の局所麻酔薬に分類される。
  2. 細胞の内側から電位依存性Na+チャネルに作用する。
  3. 太い神経線維より細い神経線維に対する興奮伝導抑制作用が強い。
  4. 炎症巣では細胞外液が酸性側に傾くため、局所麻酔効果が高くなる。
  5. 粘膜からの浸透性が高いので、表面麻酔に用いられる。

 

 

 

 

 

正解.2, 3

 解 説     

選択肢 1 ですが
メピバカインは、アミド型の局所麻酔薬です。エステル型では、ありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2,3 は、正しい選択肢です。
選択肢 2 ですが、局所麻酔の作用機序はいったん細胞膜を通過した後、内側からNaチャネルを阻害するというものです。(類題 97-154
選択肢 3 に関して補足すると「無髄C → Aδ → Aβ」という順で麻酔されるため(先の2つが「温痛覚」を伝達。Aαが、運動神経とのことです。)「痛覚 → 温覚 → 触覚 → 深部感覚 → 骨格筋弛緩」の順で消失する、とのことです。

選択肢 4 ですが
炎症巣で、細胞外液が酸性に傾くことは、正しいです。しかし、酸性条件下で局所麻酔薬は、H+ を受け取りイオン型になりやすくなります。すると、細胞膜を通過しづらくなり作用点である Na+ チャネルに到達しづらくなると考えられます。したがって局所麻酔薬効果は低くなります。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
メピバカインは表面麻酔に用いられません。(補足。この知識は無理ではないかと感じます。そこで「アミド型だと、エステラーゼで分解されにくい →「表面の麻酔」なんだからさっと分解されてほしいのでは?→アミド型ではなくエステル型の方がよいのでは・・・?ぐらいで推測するといいのかなぁ。。。?と思いました。

覚えるとしたら、リドカインを「万能のアミド型」とした上で、エステル型なら大体局所麻酔OK。その例外がプロカイン、組織浸透性低い ぐらいではないかと思われます。)

以上より、正解は 2,3 です。

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