薬剤師国家試験 第101回 問153 過去問解説

 問 題     

自律神経節遮断薬の効果として正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 血圧降下
  2. 頻脈
  3. 唾液分泌亢進
  4. 縮瞳
  5. 消化管運動亢進

 

 

 

 

 

正解.1, 2

 解 説     

自律神経節遮断薬により、交感神経系も副交感神経系も遮断されます。各臓器が「交感神経優位」か「副交感神経優位」か により、自律神経節遮断薬の効果が異なります。

選択肢 1 は、正しい記述です。
血管は、交感神経系優位です。交感神経が刺激されることで血管は収縮します。自律神経節遮断薬を投与すると、交感神経遮断の影響がより大きくでるため結果として、血管「拡張」がおきます。そして、血圧は「降下」します。

選択肢 2 は、正しい記述です。
心臓は、副交感神経系優位です。副交感神経が刺激されると脈は低下します。自律神経節遮断薬を投与すると副交感神経遮断の影響がより大きくでるため結果として、「頻脈」となります。

選択肢 3 ですが
唾液腺は、副交感神経系優位です。副交感神経が刺激されるとだ液はいっぱいでます。自律神経節遮断薬を投与すると副交感神経系の影響がより大きくでるため結果として、だ液は「減少」します。だ液分泌亢進では、ありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
瞳は、副交感神経系優位です。副交感神経が刺激されると、瞳が縮みます。自律神経節遮断薬を投与すると副交感神経系の影響がより大きくでるため結果として、瞳が、「ぱっちり」 します。縮瞳では、ありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
消化管は、副交感神経系優位です。副交感神経が刺激されると消化管運動が活発になります。自律神経節遮断薬を投与すると副交感神経系の影響がより大きくでるため結果として、消化管運動は「抑制」されます。運動亢進では、ありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1,2 です。

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