薬剤師国家試験 第97回 問154 過去問解説

 問 題     

知覚神経系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。

  1. コカインは、血管拡張作用を持つため、局所麻酔作用の持続時間が短い。
  2. プロカインは、皮膚・粘膜浸透力が強いエステル型局所麻酔薬で、表面麻酔に用いられる。
  3. テトラカインは、非イオン型が神経細胞膜の内側から作用し、電位依存性Naチャネルを遮断する。
  4. オキセサゼインは、強酸性下でも局所麻酔作用を示し、胃潰瘍に伴う疼痛を緩和する。
  5. リドカインは、血中エステラーゼによる代謝物がアレルギー反応を起こしやすい。

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

コカインは、アルカロイド局所麻酔薬です。ノルアドレナリンの再取り込みを阻止することで、間接的にノルアドレナリンの濃度を上昇させ血管収縮作用を示します。よって、血管拡張ではないので、選択肢 1 は誤りです。

プロカインは、エステル型の局所麻酔薬です。組織浸透性が低いという特徴があり、表面麻酔には用いられません。よって、選択肢 2 は誤りです。

テトラカインは、エステル型の局所麻酔薬です。神経細胞の中でイオン型になり、電位依存性 Na+ チャネルを内側から遮断します。よって、非イオン型が作用するわけではないので、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 はその通りの記述です。
オキセサゼインは、強酸性下でも局所麻酔薬作用を示します。

リドカインは、アミド型の局所麻酔薬です。エステラーゼでは分解されません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

コメント