薬剤師国家試験 第100回 問159 過去問解説

 問 題     

消化器系に作用する薬物に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. センナは、大腸のアウエルバッハ神経叢に作用し、腸運動を抑制する。
  2. ウルソデオキシコール酸は、胆汁中の胆汁酸を増加させるとともに、コレステロール胆石を溶解する。
  3. ピペリドレートは、Oddi括約筋の収縮を抑制する。
  4. ラモセトロンは、消化管内在神経叢のセロトニン5-HT3受容体を刺激し、便秘を改善する。
  5. ポリカルボフィルカルシウムは、小腸上部で吸収され、大腸内水分保持作用を示す。

 

 

 

 

 

正解.2, 3

 解 説     

選択肢 1 ですが
センナは、刺激性下剤の一種です。腸運動を刺激します。腸運動を抑制するわけでは、ありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2,3 は、正しい選択肢です。
ちなみに、選択肢 3 のピペリドレートは流産・早産防止薬である、抗コリン薬です。子宮平滑筋の弛緩作用により流産・早産を防止します。

選択肢 4 ですが
ラモセトロン(イリボー)は、5-HT3 受容体遮断作用を示します。それにより下痢型過敏性腸症候群の症状を改善します。(かつて臨床試験において、性差があり、女性に便秘の副作用が強くでるなど有効性の点から男性限定となっていましたが女性への効能が追加されました。※用量は、男性用の半分です。)受容体の刺激ではありません。よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
ポリカルボフィルカルシウムは、腸で吸収されず、水分を吸収して膨張することで下痢も便秘も改善させる という薬剤です。小腸上部で吸収されるわけでは、ありません。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2,3 です。

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