薬剤師国家試験 第100回 問158 過去問解説

 問 題     

気管支ぜん息治療薬に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. オキシトロピウムは、IgE抗体の産生を抑制する。
  2. プロキシフィリンは、ホスホジエステラーゼを阻害して、気管支平滑筋細胞内のサイクリックAMP量を増加させる。
  3. サルメテロールは、気管支平滑筋のアセチルコリンM3受容体を選択的に遮断する。
  4. アゼラスチンは、肥満細胞からのヒスタミンおよびロイコトリエン類の遊離を抑制する。
  5. セラトロダストは、トロンボキサン合成酵素を選択的に阻害する。

 

 

 

 

 

正解.2, 4

 解 説     

選択肢 1 ですが
オキシトロピウムは、4級アンモニウム構造を有する抗コリン薬です。気管支平滑筋を弛緩させることで気管支を拡張させる作用を有する薬です。IgE 抗体の産生を抑制する薬では、ありません。よって、選択肢 1 は誤りです。

選択肢 2 は、その通りの記述です。

選択肢 3 ですが
サルメテロールは、長時間作動型 β2 刺激薬です。気管支平滑筋を弛緩させることで気管支を拡張させる薬です。M3 受容体選択的遮断薬ではありません。(ちなみに、選択肢 1 のオキシトロピウムが M3 受容体選択的遮断薬 の一種です。)よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は、その通りの記述です。

選択肢 5 ですが
セラトロダストは、TXA2 受容体拮抗薬です。トロンボキサン合成酵素阻害薬では、ありません。(トロンボキサン合成酵素阻害薬の代表例はオザグレル です。)よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 2,4 です。

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