公務員試験 H29年 国家一般職(農学) No.23解説

 問 題     

次は,自殖性作物の連鎖分析に関する記述であるが,ア~エに当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

三つの優性遺伝子 A,B,C が,この順に同一染色体上に存在し,これらは互いに連鎖しているものとする。遺伝子A,B,C をホモに持つ母本に,それぞれ対応する劣性遺伝子a,b,c をホモに持つ父本を交配し,F1 (雑種第一代)を得るとする。

この F1 に ア を更に交配することで,組換え価を求めることができる。AーB 間の組換え価をX,BーC 間の組換え価をZ,AーC 間の組換え価をY とすると,X とZ の和よりもY はイ値となる。このように,Y がX とZ の和にならないのはウの存在のためである。ウの遺伝子型の例としてはエなどがある。

  ア イ ウ エ
1.父本 大きな 非組換え型 AaBbcc
2.父本 小さな 二重組換え型 aaBbcc
3.父本 小さな 非組換え型 AaBbcc
4.母本 大きな 二重組換え型 aaBbcc
5.母本 小さな 非組換え型 aaBbcc

 

 

 

 

 

正解 (2)

 解 説     

組み換え価を求めるためには、劣性ホモと交配します。つまりアは、本問では「父本」です。そして X と Z の和より Y は小さい値となります。これは二重組み換えの存在のためです。参考)H28no24 (←この問でも、やはり和が少し小さくなっています。)

ーAーBーCー と ーaーbーcー の間で「一回」だけ組み換えが起きると、ーAーbーcー、ーaーBーCーのように「大文字と小文字の逆転は一回」おきます。二重組み換えの場合、大文字と小文字が2回逆転するので「aaBbcc」の「aBc」が妥当です。

以上より、正解は 2 です。

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