公務員試験 H29年 国家一般職(農学) No.22解説

 問 題     

我が国の作物育種に関する記述として最も妥当なのはどれか。

1.イネでは,1920 年代から交雑育種法によって多くの品種が育成された。1950 年代以降は,純系選抜法(純系淘汰法)が主流となっており,本手法で「レイメイ」が育成された。

2.ダイズでは,交雑育種法が主流であるが,2000 年代から放射線照射による突然変異育種法も取り入れられてきた。本育種法による育成品種には「エンレイ」がある。

3.リンゴでは,「ふじ」が枝変わりにより育成され,基幹品種となっている。ニホンナシでは,黒斑病抵抗性を改良した「ゴールド二十世紀」が交雑育種法により育成された。

4.コムギでは,交雑育種法が主流であり,系統育種法及び集団育種法が用いられている。また,トウモロコシ花粉などを用いた半数体育種法も取り入れられ,育種年限の短縮に役立っている。

5.トウモロコシは,他殖性作物であり,一代雑種育種が行われてきた。しかし,親系統である自殖系統は種子生産量が少なく系統の維持が難しいため,現在は品種間交雑法が主流となっている。

 

 

 

 

 

正解 (4)

 解 説     

選択肢 1 ですが
レイメイは放射線照射による遺伝子突然変異により育成された半矮性品種の一つです。よって、選択肢 1 は誤りです。類題)H28no23

選択肢 2 ですが
エンレイは交雑育種法による育成品種です。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
ゴールド二十世紀は、放射線照射による突然変異育種法による品種です。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 は妥当な記述です。

選択肢 5 ですが
トウモロコシについて、本試験時の主流は一代雑種育成です。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 4 です。

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