公務員試験 H28年 国家専門職(食品衛生監視員) No.6食品衛生学Ⅱ(3)解説

 問 題     

食品の変質に関する次の記述の Ⓐ~Ⓗ に当てはまるものを語群から選び出し、それぞれの番号を記せ。

「食品の変質には、狭義では、食品中の Ⓐ が分解される腐敗と、糖質(炭水化物)や Ⓑ が分解される変敗がある。例えば魚の腐敗の場合、水揚げ後、死後硬直を経て徐々に Ⓒ が始まり、ATP が分解され、イノシンや Ⓓ の増加に伴い、細菌が増殖し腐敗が始まる。

この過程での発生物を利用した腐敗の判別法として、 Ⓔ 測定法があり、この値がⒻ 場合、魚の鮮度は低下している。また、 Ⓒ の後に、魚の付着細菌の増殖に伴い、 Ⓖ の一種である Ⓗ が生じ、アレルギー様食中毒を起こすことがある。」

<語群>①揮発性アミン、②不揮発性アミン、③自己消化、④発酵、⑤酸化、⑥K値、⑦VBN、⑧大きい、⑨小さい、⑩脂肪、⑪タンパク質、⑫ビタミン、⑬ホルムアルデヒド、⑭ヒスタミン、⑮トリメチルアミン、⑯ヒポキサンチン、⑰アンモニア

 

 

 

 

 

 解 説     

食品の変質の分類として、タンパク質が分解される腐敗と、糖質や油脂が分解される変敗があります。魚の腐敗の場合、死後硬直を経て自己消化により、ATPが分解されていきます「ATP→ADP→AMP→IMP(イノシン酸)→HxR(イノシン)→Hx(ヒポキサンチン)」という順に分解されます。

一連の反応は、IMP分解速度が律速です。ATP関連化合物総量がほぼ一定なので、総量中の HxR+Hx の百分率を K 値と呼び、値が「低い」ほど鮮度がよいです。また、魚の付着細菌の増殖に伴い、不揮発性アミンの一種であるヒスタミンがヒスチジンから産生されることにより、アレルギー様食中毒を起こすことがあります。

以上より
A タンパク質 ⑪
B 脂肪 ⑩
C 自己消化 ③
D ヒポキサンチン ⑯
E K 値 ⑥
F 大きい ⑧
G 不揮発性アミン ②
H ヒスタミン ⑭ です。

類題 H26No2Ⅱ(2)

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