薬物は、唾液や乳汁へも排泄されます。これらは、主に受動拡散による排泄です。※唾液へのリチウム排泄は、主に能動輸送によります。
乳汁について重要な性質が、母乳は血液よりも「酸性」であることです。pH 分配仮説に基づき、弱塩基性薬物の方が、母乳中でよりイオン → 母乳中の弱塩基性薬物が血液へ移行しづらいといえます。
つまり「母乳→血液」が移行しづらく、「血液→母乳」が相対的に移行しやすいということなので 『塩基性薬物 は、酸性薬物に比べ、母乳へ移行しやすい』と考えられます。
臨床応用が期待される分野としては、唾液中の薬物濃度測定による TDM です。採血無しで簡便にモニタリングできる手法として発展が期待されます。
乳汁への移行があるため、授乳中に避けるべき薬物として、抗がん剤、免疫抑制剤などがあります。また、一般用医薬品に関して、センナ(便秘薬)、ロートエキス(胃腸薬)、◯◯フィリン系(気管支拡張。咳止めに入ってる。神経過敏ありうる。)カフェインは連用を避ける。などが知られています。
※※※ 以下は補足。国試には不要。 ※※※
ただし、特にドラッグストアなどで扱う一般用医薬品についていえば、用法・用量通り用いている場合ほとんど影響ありません。
「授乳中だから、辛いけど薬は飲まない」
「薬を飲んでしまったから、授乳できなくて困っている」などの声は本当によく聞きます。また、何となく不安がっている人も多いと感じています。
このような部分をきちんと薬学的観点から評価し、目の前の方に対して適切な情報を伝える役割が薬剤師であると思う。(「物質+情報で クスリ」は、ほんとだなと感じます。)一方で、それを自然に、楽に伝えるシステムも大切。わかりやすいリーフレットや POP 作りとかもすごく大切だと思います。
※※※ 補足 以上 ※※※
以上です。
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