催吐薬とは、嘔吐を誘発させる薬です。胃の内容物を吐かせることを目的とする薬です。制吐薬とは、吐き気止めです。催吐/制吐薬は、大きく 5 つに分類されます。
ⅰ.D2 刺激(催吐)薬
ⅱ.D2 遮断(制吐)薬
ⅲ.5-HT3 遮断薬
ⅳ.末梢性制吐薬
ⅴ.H1 遮断薬
ⅰ.D2 刺激(催吐)薬
このタイプの代表的な薬は
・モルヒネ(アンペック)
・トコン
などが挙げられます。( )の中に書いたのは、商品名の一例です。
モルヒネは、CTZ(chemoreceptor trigger zone:化学需要引き金帯) の D2 受容体を刺激することにより嘔吐を誘発します。
トコンは、内服により胃粘膜を刺激して反射的に嘔吐をおこします。
ⅱ.D2 遮断(制吐)薬
このタイプの代表的な薬は
・スルピリド(ドグマチール)
・ドンペリドン(ナウゼリン)
・メトクロプラミド(プリンペラン)
などが挙げられます。
スルピリド、ドンペリドン、メトクロプラミドは、D2 受容体遮断薬です。CTZ の D2 受容体を遮断することで嘔吐を抑えます。
ⅲ.5-HT3 遮断薬
このタイプの代表的な薬は
・グラニセトロン(カイトリル)
・オンダンセトロン(ゾフラン)
・アザセトロン(セロトーン)
などが挙げられます。
◯◯セトロン(グラニセトロン、オンダンセトロン、アザセトロン)は、5-HT3 受容体遮断薬です。抗ガン剤投与時の吐き気止めとして用いられます。
ⅳ.末梢性制吐薬
このタイプの代表的な薬は
・オキセサゼイン(ストロカイン)
などが挙げられます。
オキセサゼインは、末梢性制吐薬です。オキセサゼインは、酸性でも効果を発揮する麻酔です。内服により局所麻酔効果を示し、胃粘膜の知覚神経を麻痺させることで、反射性嘔吐を抑えます。
ⅴ.H1 遮断薬
このタイプの代表的な薬は
・ジメンヒドリナート(ドラマミン)
・プロメタジン(ヒベルナ)
などが挙げられます。
ジメンヒドリナート、プロメタジンは、H1 受容体遮断薬です。この薬は、動揺病(乗り物酔い)に伴う悪心、嘔吐、めまいに使用されます。
代表的な催吐、制吐薬をまとめると、以下の表になります。
コメント