SN反応とE反応のまとめ

前項までに SN反応(求核置換反応)とE反応(脱離反応)の解説をしてきましたので、この項では 3-2 章のまとめを載せます。

以下の表は、有機ハロゲン化合物の性質と反応のページで載せたものと同じです。この表をしっかりと理解して覚えることができれば、ハロアルカンの反応については大よそ問題ないかと思います。

上表を見てわかる通り、例えば求核試薬として H2O を用いた場合、これは求核性が低いため反応が起こりづらいです。ただし、ハロアルカンが第三級の場合はそのカチオンが安定であることから SN1反応や E1反応などが起こります。

次に、求核性は強いけれど弱塩基である求核試薬、例えば I などを用いると、多くの場合、SN2反応が起こります。E2反応は求核性が強く、かつ塩基性が強い時に起きる反応なので、今回のような求核試薬ではあまり起こりません。

ここで、基質が第三級ハロアルカンの場合はカチオンを経る SN1反応や E1反応になりやすいです。

また、CH3O のような立体障害の小さい強塩基を求核試薬とすると、基質の立体障害が小さいときは SN2反応となります。基質の立体障害が大きいと、求核試薬が近づきづらくなるため、E2反応が優先します。

最後に、(CH33CO のように立体障害の大きな強塩基を求核試薬とした場合は、基本的には E2反応が起こります。基質のハロアルカンがメチル基の時のみ、基質の立体障害がごく小さいので SN2反応が優先します。

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