グルコースの構造、性質、役割

糖質とは、食物繊維でない炭水化物のことです。食物繊維は、消化酵素で消化することのできない成分の総称です。炭水化物は、Cm(H20)n という化学式で表される化合物の総称です。(但し、少し数が違う例外もあります。)

糖質は、単糖、二糖、オリゴ糖、多糖の4つに大きく分類されます。糖質の構成単位である単糖が、いくつつながっているかによる分類です。

単糖の代表例が、グルコースです。グルコースの構造における特徴は、水中において、鎖状構造と環状構造の両方をとることです。2つの構造は、平衡状態にあります。構造は、以下になります。

上図における1位の OH の向きが、6位の OH の向きと同じなら β-グルコース、反対の向きなら、α-グルコースと呼ばれます。

グルコースは、D-グルコース、L-グルコースと呼ばれることもあります。これは、鎖状構造式において Fischer 投影式(参考 有機化学まとめ Fischer投影式とNewman投影式)で表記した時に、アルデヒド基、又はケト基から、最も遠い不斉炭素に結合する OH 基の向きによって、D体、L体を区別します。すなわち、最遠の OH 基が右向きなら D 体、左向きなら L 体です。この表示は、生体由来の糖やアミノ酸などについて用いられることがあります。

※注意:この表記における D,L は、光学異性体の表示法です。右旋性を表す小文字 d と、左旋性を表す小文字 l と、D、Lの間には、何の関係もありません。

グルコースは、還元性を示します。単糖は、すべて還元性を示します。還元性は、アルデヒド基、及びカルボニル基により示されます。

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