問 題
放射線の人体への影響に関する記述 ㋐ ~ ㋓ のうち、妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。
㋐ 一般に、線量率が低くなると確定的影響 (組織反応) のしきい線量は大きくなる。
㋑ 一般に、線量率が低くなると単位線量当たりの発がん率は小さくなる。
㋒ 国際放射線防護委員会 (ICRP) は、リスク評価で利用される組織加重 (荷重) 係数を、確定的影響 (組織反応) と確率的影響を考慮して定めている。
㋓ 胎児期の被ばくによる奇形は遺伝的影響である。
1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋑、㋓
4.㋒
5.㋒、㋓
解 説
㋐、㋑ ですが
単位時間当たりの線量 (放射線の量) が「線量率」です。短時間に高い線量を受ける場合に対し、低い線量を長時間にわたって受ける場合 (低線量率の被ばく) のほうが、被ばくした総線量が同じでも影響のリスクは低くなる傾向が見られます。㋐、㋑ は共に妥当です。
㋒ ですが
組織加重係数とは、各組織、臓器における放射線の影響度の指標です。これが高い方が、大きな影響を受ける組織、臓器であるということです。組織加重係数は、確率的影響(発がんなど)のリスクを考慮して導き出されたものです。㋒ は誤りです。
㋓ ですが
器官形成期 (受胎 2 ~ 8 週) における被ばくで奇形となりえます。これは「遺伝的影響」ではありません。㋓ は誤りです。
ちなみにですが
原爆被爆者の子どもに対する調査において、放射線による遺伝性影響は検出されていません。
以上より、正解は 2 です。
類題
R1 no94 放射線による人体への影響
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-r1-94/
H30 no94 放射線の人体への影響
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-30-94/
H29 no94 放射線の人体に対する影響
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-29-94/
コメント