国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R2年 問73解説

 問 題     

アミノ酸に関する次の記述の ㋐、㋑ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「図の構造式は ㋐ であり、 ㋐ に含まれる官能基の pKa 値は、それぞれ 2.19、4.25、9.67  である。㋐ の等電点は ㋑ であり、等電点に等しい pH の溶液中では正と負の電荷が釣り合い、このアミノ酸分子の総電荷がゼロになる。」

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐ ですが
カルボキシル基に隣接する炭素 である α 炭素から見て「3 つ目の C が C=O」なので、グルタミン酸です。ちなみに 2 つ目であればアスパラギン酸です。正解は 4 or 5 です。

㋑ ですが
等電点は、正の荷電と負の荷電が等しくなる pH のことです。原則、アミノ基 (-NH2) とカルボキシル基(-COOH) の酸解離定数 pKa の平均が等電点です。酸性アミノ酸のように、COOH が側鎖にもある場合は、等電点が酸性に寄ります。すなわち、等電点が小さくなります。 2.19 と 9.67 の平均が 5.93 なので、5.93 よりも小さい pH が等電点です。選択肢から選べば 3.22 が妥当です。選択肢 5 は誤りです。


以上より、正解は 4 です。


類題

H29 no5 ヒスチジンの等電点
https://yaku-tik.com/yakugaku/km-29-05/

薬剤師国家試験 第106回 問95
https://yaku-tik.com/yakugaku/106-095/


参考 
アミノ酸の構造、性質
https://yaku-tik.com/yakugaku/sk-4-3-1/

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