国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R1年 問89解説

 問 題     

細胞接着、細胞結合に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 隣り合った植物細胞の細胞質は、原形質連絡によってつながっている。原形質連絡では、低分子量の物質だけでなく、タンパク質や核酸などの高分子やウイルスも通過する。

㋑ 動物細胞において、隣り合った細胞の細胞膜が融合して形成された連絡通路をギャップ結合と呼ぶ。ギャップ結合は、細胞内の pH 変化や Ca2+ 濃度の変化の刺激を受け開閉する。

㋒ 密着結合と接着結合は、隣り合った細胞の細胞骨格繊維を連結することにより、細胞間接着の強化や細胞の移動制御に寄与している。

1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋑
4.㋑、㋒
5.㋒

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐ は妥当な記述です。
シンプラスト経路と呼ばれる、細胞膜の内側の経路です。(30-92)

㋑ ですが
ギャップ結合は、動物細胞どうしの間にある連絡通路です。コネキシンと呼ばれる膜タンパク質により構成されています。「細胞膜が融合して形成」ではありません。よって、㋑ は誤りです。

㋒ ですが
密着結合や接着結合は、隣接する「細胞膜」を連結させます。細胞骨格ではありません。よって、㋒ は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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