国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R1年 問77解説

 問 題     

微生物の研究の歴史に関する次の記述の ㋐~㋓ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

・ ㋐は、自らが作った顕微鏡によって微生物を詳細に観察し、ロンドンの王立協会に微生物の観察記録を報告した。

・㋑は、微生物の発生に関して論争となっていた自然発生説を否定し、生物発生説を証明した。また、発酵現象が特定の物質(アルコール、乳酸など)を生成蓄積する能力のある微生物による作用であることを発見した。

・㋒は、微生物の固形培地による分離をはじめとする研究技法を確立するとともに、炭疽病菌、コレラ菌、結核菌といった病原菌を発見した。

・㋓は、酵母細胞をすりつぶして得た生細胞を含まない抽出液にショ糖を添加すると炭酸ガスが発生してアルコールが生成すること、さらに、抽出液が50 ℃ の加熱処理で失活することを発見し、微生物の生化学反応が酵素の働きであると考えた。

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐ ですが
微生物学についての文章で「ロンドン王立協会」が出てきたら、大概「微生物学の父」と言われ、顕微鏡作った「レーウェンフック」さんです。ちなみにリービッヒさんは、パスツールさんと発酵論争をした人です。正解は 1 ~ 3 です。

㋑ ですが
「自然発生説否定」とくれば、パスツールさんや、フランチェスコ・レディさん等です。ゲイ=リュサックさんは、気体に関する法則などを発見しました。正解は 1 or 2 です。

㋒ ですが
「固形培地による分離」ときたらコッホです。これで正解は 1 です。㋓ はブフナーとわかります。ちなみに、ハンゼンさんは「発酵工業の父」と呼ばれ、酵母の純粋培養を確立しました。

以上より、正解は 1 です。

参考)食品衛生学 H30No3Ⅰ(3)

コメント