国家公務員総合職(化学・生物・薬学)R1年 問23解説

 問 題     

次の状態方程式を満たす気体について考える。

ここで、P は圧力、V はモル体積、T は温度、R は気体定数、B 及びC は定数である。臨界点で
の圧力、モル体積、温度をそれぞれ Pc、Vc、Tc としたとき、この気体の臨界圧縮因子 PcVc/RTc の値はいくらか。

1. 1/27
2. 1/3
3. 8/3
4. 3
5. 27

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

「臨界点」なので、T 一定という条件で、V で偏微分した (dP/dV)T、及び 2回偏微分した (dP2/d2V)T が共に0です。これは基礎知識です。後は計算問題です。まず、微分しやすいように、1/V、1/V2、1/V3 をそれぞれ V-1,V-2,V-3 として偏微分します。

2つ式ができたので、 B,C を消去することができます。
(1) × V4 で C = … という形になります。
計算すると C = (-RTV2 + 2BV)/3 ・・・(3) です。

(2) × V5 して、さらに c を消去すれば、B = … と表すことができます。
2RTV2 -6BV +12×(-RTV2 + 2BV)/3 です。整理すれば
B = RTV です。(3) に代入して C = RTV2/3 です。

状態方程式の B,C を消去すれば
P = RT/3V となります。
従って、臨界点において Pc = RTc/3Vc です。

求めたい 臨海圧縮因子
Pc × Vc/RTc = 1/3 です。

以上より、正解は 2 です。

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