国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H30年 問86解説

 問 題     

血管内皮細胞から放出される血管平滑筋の緊張度を調節する因子に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 一酸化窒素(NO)は、血管平滑筋細胞のアデニル酸シクラーゼを活性化し、血管平滑筋細胞内の cAMP の濃度を上昇させることにより、血管平滑筋を弛緩させる。

㋑ プロスタグランジン I2 (プロスタサイクリン)は、血管平滑筋細胞膜上の受容体に結合してグアニル酸シクラーゼを活性化し、血管平滑筋細胞内の cGMP の濃度を上昇させることにより、血管平滑筋を弛緩させる。

㋒ エンドセリンは、血管平滑筋細胞膜上の受容体に結合して血管平滑筋細胞内のイノシトール三リン酸の濃度を上昇させ、細胞内 Ca2+ 貯蔵部位から Ca2+ を放出させることにより、血管平滑筋を収縮させる。

1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋐、㋒
4.㋑、㋒
5.㋒

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

㋐ ですが
NO は「グアニル酸シクラーゼ」を活性化し、cGMP の濃度上昇です。よって、㋐ は誤りです。正解は 4 or 5 です。これにより、㋒ は妥当な記述です。

㋑ ですが
PGI2 は「アデニル酸シクラーゼ」を活性化です。よって、㋑ は誤りです。

以上より、正解は 5 です。

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