国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H30年 問82解説

 問 題     

生物を用いた実験を安全に行うために、規程等が存在する。次の㋐〜㋓のうち、遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)とその関連する規則により、遺伝子組換え生物として拡散防止措置を求められているものとして妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。なお、培養細胞は、移植などをせず、その単体で取り扱われるものとする。

㋐ プラスミドDNA を導入して作製したGFP を発現する酵母(ただし、ゲノムDNA にはGFP遺伝子は挿入されていない)
㋑ マウス由来で、プラスミドDNA を導入して作製したGFP を安定に発現する培養細胞
㋒ ヒト由来で、肝炎ウイルスに感染している培養細胞
㋓ ゲノム編集技術により薬剤耐性遺伝子を導入して作製したノックアウトマウス

1.㋐、㋑
2.㋐、㋑、㋒、㋓
3.㋐、㋑、㋓
4.㋐、㋓
5.㋑、㋓

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

カルタヘナ法での「遺伝子組換え生物」とは、2つ定義されています。

①(細胞、ウイルス又はウイロイドに核酸を移入して当該核酸を移転させ、又は複製させることを目的として)細胞外において核酸を加工する技術によって得られた核酸又はその複製物を有する生物

②異なる分類学上の科に属する生物の細胞を融合する(交配等従来から用いられているもの以外の)技術によって得られた核酸又はその複製物を有する生物

共に「生物」なので、㋑、㋒ のような「培養細胞」は含まれません。

以上より、正解は 4 です。

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