国家公務員総合職（化学・生物・薬学）H30年 問54解説

　問 題　　　　　

浸透圧型放出制御製剤に関する記述㋐〜㋓のうち妥当なもののみを挙げているのはどれ
か。

㋐　薬物は製剤から1 次速度で放出され、血中濃度がほぼ一定のレベルに維持される。
㋑　製剤の外壁の膜全体から、内部の薬物が徐々に放出される。
㋒　一定の水分量があれば、食事の影響等の消化管の様々な因子の影響を受けずに、薬物放出が制御される。
㋓　薬物のリザーバー、駆動力となる電解質部分及び半透膜の外壁から構成されている。

1．㋐、㋑
2．㋐、㋒
3．㋑、㋒
4．㋑、㋓
5．㋒、㋓

 

 

 

 

 

　解 説　　　　　

オロス（浸透圧型放出制御製剤）は、放出孔の開いた半透膜で包みこんだ薬物です。浸透圧による連続的な薬物放出が行われます。

㋐ ですが
浸透圧による放出は、長時間一定速度で薬物が放出されます。「０次」です。１次ではありません。よって、㋐ は誤りです。（類題 100-55)

㋑ ですが
外側の膜全体ではなく、放出孔からです。よって、㋑ は誤りです。

㋒、㋓ は妥当な記述です。

以上より、正解は 5 です。