国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H30年 問49解説

 問 題     

抗うつ薬に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ フルボキサミンは、神経終末においてセロトニンの再取り込みを選択的に阻害し、シナプス間隙のセロトニン濃度を上昇させる。

㋑ ミルタザピンは、神経終末においてセロトニン及びノルアドレナリンの再取り込みを選択的に阻害し、シナプス間隙のセロトニン及びノルアドレナリン濃度を上昇させる。

㋒ ミルナシプランは、中枢シナプス前 α2 自己受容体及びヘテロ受容体に対して拮抗作用を示し、セロトニン及びノルアドレナリンの神経伝達を増強する。

1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋐、㋒
4.㋑
5.㋑、㋒

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐ は妥当な記述です。
フルボキサミンは、SSRI(Selective Serotonin Reuptake Inhibitors)です。セロトニンの再取り込みを選択的に阻害する薬です。

㋑ ですが
ミルタザピン(リフレックス、レメロン)は、NaSSA (ノルアドレナリン・セロトニン「作動性」抗うつ薬)に分類される抗うつ薬の一種です。シナプス前の α2 受容体の阻害を介して中枢のノルアドレナリン、セロトニンの神経伝達を増強します。又、5-HT2、5-HT3 受容体を阻害することで選択的に 5-HT1 受容体を活性化します。「再取り込み阻害」ではありません。よって、㋑ は誤りです。

㋒ ですが
ミルナシプラン(トレドミン)は、SNRI です。セロトニン、ノルアドレナリンの再取り込みを阻害します。よって、㋒ は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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