国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H30年 問48解説

 問 題     

抗てんかん薬に関する記述 ㋐、㋑、㋒ のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ バルプロ酸は、高用量で、GABA トランスアミナーゼを阻害し、全般発作に対して用いられる。
㋑ エトスクシミドは、ナトリウムチャネルに直接結合し、グルタミン酸などの遊離を抑制し、欠神発作に対して用いられる。
㋒ ガバペンチンは、GABAA 受容体 Cl チャネルに直接結合し、細胞膜を過分極させ、中枢抑制作用をもたらす。部分発作に対して用いられる。

1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋐、㋒
4.㋑、㋒
5.㋒

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐ は妥当な記述です。

㋑ ですが
エトスクシミドは 「T 型 Ca2+ チャネル遮断」です。ナトリウムチャネルに直接結合ではありません。よって、㋑ は誤りです。

㋒ ですが
ガバペンチンは、様々な機序による抗てんかん薬です。前シナプスにおける Ca イオン流入抑制作用により、興奮性の神経伝達物質の遊離抑制作用などを示します。「GABA 受容体 Cl チャネル直接結合 → 過分極」というメカニズムではありません。よって、㋒ は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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