国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H30年 問38解説

 問 題     

有用物質 A 50 kg を含む原料100 kg を、ふるいを用いて粒子径により分級することを考える。この分級ではある粒子径(分離径)を境に大きい粒子と小さい粒子に二分できると仮定する。

図Ⅰは、原料とそれに含まれる A 及び不純物の粒度分布曲線である。各分離径による分級により得られる製品中の、A の回収率と不純物の混入率(残留率)を表したグラフを、図Ⅱ、Ⅲ、Ⅳのうちからそれぞれ選び出したものの組合せとして最も妥当なのはどれか。ただし、粒度分布、回収率及び混入率は、質量を基準とするものとする。

A の回収率 不純物の混入率
1. 図Ⅱ 図Ⅲ
2. 図Ⅱ 図Ⅳ
3. 図Ⅲ 図Ⅱ
4. 図Ⅲ 図Ⅳ
5. 図Ⅳ 図Ⅱ

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

まず、ふるいのイメージですが、例えば D1 のふるいを用いると、ふるいの上に D1 よりも大きい粒子が残ります。図Ⅰから、原料は不純物も含めて 粒径が D1 よりも大きいため、全てふるいの上に残ります。このため、回収率も混入率も 100% です。

次に、D2 のふるいを用いたとします。
すると、上に残るのは図Ⅰから、「大体半分の不純物」と、「A 100%」です。不純物の混入率を表すのは、D2 の所で 50% になっている 図Ⅳ とわかります。正解は 2 or 4 です。

D4 のふるいを用いたとします。
有用物質 A の粒径分布が D4 よりも大きい所に少しは見られるため、回収率は0ではないはずです。そのため、回収率を表すのは図Ⅱとわかります。

以上より、正解は 2 です。

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