国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H30年 問28解説

 問 題     

イオン結晶の欠陥に関する次の記述の ㋐、㋑ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「イオン結晶における点欠陥として、フレンケル欠陥とショットキー欠陥が知られている。フレンケル欠陥は、結晶格子の正規の位置に存在していたイオンが、格子間位置に入り込むことにより生成する。ショットキー欠陥は、組成式 MX のイオン結晶の場合、 ㋐ が生じることにより生成する。点欠陥の生成に伴い、イオン結晶の格子定数が変化しない場合、 ㋑ が生成すると、そのイオン結晶の密度は変化する。」

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

㋐ ですが
ショットキー欠陥とは、陽イオンと陰イオンが化学組成と等しい割合で失われた場合の空孔です。正解は 4 or 5 です。

㋑ ですが
ショットキー欠陥が生成すると密度が変化します。ある体積における粒子数が減少するからです。フレンケル欠陥であれば、場所が変わってるだけだから密度は変化しません。

エレベータに男女同数規則正しく並んでるイメージをしてみてください。男女ペアが『何組か消滅』するのがショットキー欠陥です。ぎゅうぎゅう度合いが小さくなるのが想像できるのではないでしょうか。

一方フレンケル欠陥は、いくつかペアが口喧嘩→雰囲気悪くなって離れていく→他のペアの近くにぎゅむっと入りこむというイメージです。局所的な疎密に変化はあっても、エレベータ全体を見た時の密度は変わりません。

以上より、正解は 5 です。

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