国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H30年 問20解説

 問 題     

0.30 mol・L-1 酢酸水溶液 500 mL と 0.10 mol・L-1 水酸化ナトリウム水溶液 500 mL を混合した水溶液 A がある。水溶液 A 100 mL に、0.50 mol・L-1 水酸化ナトリウム水溶液 10.0 mL を加えて得られた水溶液の pH と,水溶液 A の pH の差はおよそいくらか。ただし、log102 = 0.30 とし,酢酸の酸解離定数 Ka について pKa = 4.8 とする。

1. 0.12
2. 0.3
3. 0.6
4. 0.9
5. 1.2

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

0.3 mol/L の酢酸水溶液 500 mL = 0.5L なので、酢酸が 0.15 mol あったということです。これに、0.1 mol/L の NaOH 500 mL = 0.5L なので できあがった水溶液 A は「CH3COONa 0.05 mol + CH3COOH 0.10 mol が入った水溶液 1L」です。

この水溶液 A を 100mL とっているので、100 mL 中には 「CH3COONa が 0.005 mol + CH3COOH 0.01 mol」 が入っています。そこに 0.50 mol/L の NaOH 10.0 mL 、つまり NaOH 0.005 mol を加えています。酢酸と水酸化ナトリウムが反応するため、混合後は「CH3COONa が 0.01 mol、CH3COOH が 0.005 mol」になります。

Ka =[CH3COO][H+]/[CH3COOH] なので
[H+]=Ka[CH3COOH]/[CH3COO] です。両辺 -log10 をとれば
pH = pKa + log10[CH3COOH]/[CH3COO] です。

水溶液 A に関して  [CH3COOH]/[CH3COO]  の部分は 0.1/0.05 = 2 です。
混合後 の水溶液に関して [CH3COOH]/[CH3COO] の部分は 0.005/0.01 = 1/2 です。ここで log10(1/2) = -log102 です。

従って
pH の差は log102 とーlog102 の差となります。
0.3 – (-0.3) = 0.6 とわかります。

以上より、正解は 3 です。

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