国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H29年 問82解説

 問 題     

遺伝子導入実験で用いられる選択マーカーに関する記述 ㋐〜㋓ のうち妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ 大腸菌でのクローニングで用いられるアンピシリンは、細胞壁の合成を阻害する。
㋑ ピューロマイシンは、タンパク質合成を阻害するため、培養細胞の選択マーカーとして使用される。
㋒ ブルー・ホワイトセレクションでは、プラスミド DNA 中の LacI 遺伝子内にインサートDNA が入った場合、遺伝子導入した菌体は Xーgal を分解できず、青く染まることを利用している。
㋓ GFP を用いた遺伝子導入細胞の単離では、一般的に、GFP の蛍光強度が最も強い 488 nm 付近の蛍光強度に基づき分離する。

1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐、㋑ は妥当な記述です。

㋒ ですが
Xーgal は無色です。分解されると青色です。インサートを含むと、機能的な酵素が作れなくなり、X-gal が分解されず「白い」コロニーを形成します。よって、㋒ は誤りです。

㋓ ですが
488 nm は、励起波長と考えられます。蛍光強度が最も強い波長はもう少し長波長になります。よって、㋓ は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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