国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H29年 問83解説

 問 題     

上皮と間充織(間葉)に関する記述㋐〜㋓のうち妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ 外胚葉と内胚葉の上皮は繋がっている。
㋑ 上皮は間充織に転換することがあるが、間充織は上皮に転換することはない。
㋒ 上皮は基底膜上に並ぶが、間充織は基底膜上に並ばない。
㋓ 上皮も間充織もタイトジャンクションを介して細胞同士が接着する。

1.㋐、㋒
2.㋐、㋓
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

発生中の胚を構成する細胞は、大きく2種類に分類されます。規則正しい配列をとる上皮細胞と、形態や分布が一様ではなく胚の中で移動することもある間充織細胞です。

㋐ は妥当な記述です。

㋑ ですが
上皮-間充織転換として、相互の転換が知られています。よって、㋑ は誤りです。

㋒ は妥当な記述です。

㋓ ですが
上皮細胞はタイトジャンクション(密着結合)を介して細胞同士が接着します。しかし間充織細胞は、細胞同士の結合は部分的です。タイトジャンクションではありません。よって、㋓ は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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