国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H29年 問72解説

 問 題     

ヒト生体内のpH 調節に関する次の記述の ㋐、㋑、㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「リン酸(H3PO4)は、三つの pKa 値(pK1 = 2.1、pK2 = 7.2、pK3 = 12.3)を有する弱い多塩基酸である。リン酸塩緩衝系は細胞内液の pH を中性付近に維持する主たる緩衝系を担い、一般的に、細胞内では ㋐ イオンと ㋑ イオンがほぼ等量存在する。一方、血液の pH は主に炭酸水素塩緩衝系によって pH 7.4 に保たれているが、 ㋒による緩衝作用も重要である。」

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐、㋑ ですが
pH = pKa の時、イオン形と分子形が等しい量存在します。H3PO4 と H2PO4 が同量存在するのが pH = 2.1 の時です。H2PO4と HPO42- が同量存在するのが pH = 7.2 の時です。HPO42- と PO43- が同量存在するのが pH = 12.3 の時です。pH ほぼ中性付近という記述から、H2PO4と HPO42- がほぼ同量存在です。正解は 4 or 5 です。

㋒ ですが
血しょう緩衝系として、重炭酸系の他、ヘモグロビン系やタンパク質系が知られています。㋒ は「タンパク質」です。

以上より、正解は 4 です。

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