国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H29年 問43解説

 問 題     

旋光度に関する記述㋐〜㋔のうち妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ 旋光度の測定には、ナトリウムの D 線などの単色光から得られる偏光が用いられる。
㋑ 平面偏光が物質を通過する時、左右円偏光に対する吸光度が異なる場合に旋光性が観察される。
㋒ 旋光度の大きさは、温度の影響を受けるが、溶媒の種類によっては影響されない。
㋓ 旋光性を示す光学活性物質は、その分子中に少なくとも一つの不斉原子を有している。
㋔ 旋光度は、光学活性医薬品の確認、純度試験及び定量に利用される。

1.㋐、㋑
2.㋐、㋔
3.㋑、㋓
4.㋒、㋓
5.㋒、㋔

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

㋐ は妥当な記述です。

㋑ ですが
旋光性とは、物質中を偏光が通過する時に偏光を右又は左に回転させるような、物質の性質のことです。光学活性とも呼びます。回転する角度のことを旋光度と呼びます。「吸光度」が異なる場合に観察されるものではありません。よって、㋑ は誤りです。

㋒ ですが
溶媒の種類によっても影響を受けます。よって、㋒ は誤りです。

㋓ ですが
アレン誘導体などのように、不斉原子を持たない光学活性物質もあります。よって、㋓ は誤りです。

㋔ は妥当な記述です。

以上より、正解は 2 です。

参考 物理化学 1-3 5)有機化学 4-6 1)

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