国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H29年 問39解説

 問 題     

上ぶたのない十分に大きな断熱容器に 0 ℃ の水を入れ、冷凍庫内で冷却したときに生成する氷の厚さ X を求めたい。次の記述の ㋐、㋑ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「氷の密度を t、氷の熱伝導率を m、水の融解潜熱を L とする。図は、この系の温度分布を模式的に表したものであり、氷の上面の温度 T0 は冷凍庫内の温度と等しく、氷と水の界面の温度をTX(= 0 ℃)とする。

氷層の生成速度は十分に遅く、氷層内部の熱の移動は定常状態であり、t は温度に対して一定で、氷の温度変化に要する熱量は無視できるものとする。このとき、熱流束は ㋐ で示され、その大きさは dX/dt ρLと等しい。これらの関係から、X と時間 t の関係は X= ㋑となる。ただし、t=0 のとき X=0 とする。」

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐ ですが
T0 = TX = 0 ℃であれば、明らかに熱の流れはなく、熱流束 = 0 となるはずです。成り立つ式の形は λ(T0 ー TX)/X です。正解は 1 ~ 3 です。

熱流束の「大きさ」と dX/dt ρL が等しいということなので、とりあえずそのまま「=」で結び、変数分離して積分し、X について解きます。

熱流束の符号を考慮し、(T0 ー TX)の所を(TXーT0)として√ をとることで、㋑ がわかります。

以上より、正解は 1 です。

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