国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H29年 問101解説

 問 題     

植物の環境への適応・順化に関する記述㋐〜㋓のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 陸上の維管束植物は、気孔の開閉により水分の損失を抑えつつ光合成に必要な二酸化炭素を取り込んでいる。

㋑ 強い光の下で育った葉は、飽和光下の最大光合成速度が高く、光補償点が低くなる傾向がある。

㋒ 特殊な構造の葉などにより昆虫などの小動物を捕らえて栄養源とする食虫植物は、光不足の環境下で多く見られる。

㋓ 植物の低温への耐性は、種によって固定したものではなく、最近経験した気温によって変化し得る。

1.㋐、㋑、㋒
2.㋐、㋑、㋓
3.㋐、㋓
4.㋑、㋒
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

㋐ は妥当な記述です。

㋑ ですが
光補償点とは、呼吸速度=光合成速度となり、見かけ上 CO2 消費量が 0 になる光の強さです。暗い所で育つ葉の方が光補償点が低くなる傾向にあります。よって、㋑ は誤りです。

㋒ ですが
食虫植物は、光や水が十分だが、土地がやせており窒素・リンなどが不足している環境下で多く見られます。「光不足の環境下」ではありません。よって、㋒ は誤りです。

㋓ は妥当な記述です。

以上より、正解は 3 です。

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