国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H28年 問96解説

 問 題     

ヒトの遺伝に関する次の記述の㋐、㋑、㋒に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「性染色体上に座を占める遺伝子の遺伝様式は、常染色体上の遺伝子の遺伝様式と異なり、性型に依存した伝達、分離を行う。これを㋐遺伝と呼ぶ。㋐遺伝の例として色覚異常がある。男性の10 パーセントがX 染色体連鎖の劣性遺伝子による色覚異常であるとする。このとき、ハーディー・ワインベルグ平衡を仮定すると、女性の㋑パーセントが保因者であると推定され、 ㋒パーセントが色覚異常であると推定される。」

㋐ ㋑ ㋒
1.限性 10 2
2.限性 18 1
3.伴性 10 2
4.伴性 18 1
5.伴性 18 2

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐ は「伴性」です。
ちなみに、限性遺伝は、生物のある形質が、雌雄どちらかにのみ現れることです。正解は 3 ~ 5 です。

㋑、㋒ ですが
男性 XY において、Y 染色体は、父由来です。従って、 X が母由来で遺伝しており、その確率が 10% とわかります。

母親の遺伝子を考えると、XaXa であれば、100%、XaX であれば 1/2 XX であれば 0% で劣性遺伝子が受け継がれます。すると、選択肢をふまえれば、18% が保因者(XaX)、1% が色覚異常(XaXa)とわかります。

以上より、正解は 4 です。

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