国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H28年 問81解説

 問 題     

遺伝子工学実験で用いられる酵素に関する次の記述の ㋐、㋑、㋒ に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

・ベクター自身のセルフライゲーションを防ぐため、制限酵素で切断した二本鎖 DNA の㋐末端のリン酸基をアルカリ性ホスファターゼにより除去する。

・制限酵素を用いて 10 kbp DNA の切断を行う際、AluⅠ(認識配列が4 塩基)を使用したときの平均的 DNA 断片数は、HindⅢ(認識配列が 6 塩基)を使用したときの約 ㋑ 倍となる。

・長さの異なる DNA と RNA を混ぜて DNAーRNA ヘテロ二本鎖を形成させた後、相補的なDNAーRNA 二重鎖形成部分の RNA だけを特異的に分解するには ㋒ を用いる。

㋐ ㋑ ㋒
1. 3’ 8   リボヌクレアーゼ A
2. 3’ 16 リボヌクレアーゼ H
3. 5’ 8   リボヌクレアーゼ A
4. 5’ 16 リボヌクレアーゼ H
5. 5’ 16 リボヌクレアーゼ A

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐ ですが
制限酵素で切断した DNA の「5’」末端にあるリン酸基を除去します。正解は 3 ~ 5 です。

㋑ ですが
10k つまり 10000 文字並んでいて、1つの文字として 4 種類(A,T,G,C) が用いられる文字列を考えます。適当な連続する 4 文字を見て、それが AluⅠの認識配列と一致する確率は 1/44 です。一方、認識配列が 6 文字になると、一致確率は 1/46 となります。従って、AluⅠの方が 16 倍切断されやすく、平均的断片数も 16 倍になると考えられます。

㋒ ですが
リボヌクレアーゼ(RNase)「A」 は、一本鎖 RNA 配列特異的です。ハイブリッド二重鎖の RNA 特異的分解酵素は RNase「H」です。

以上より、正解は 4 です。

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