国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H28年 問68解説

 問 題     

環境汚染物質の処理技術に関する記述㋐〜㋓のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 排煙から硫黄酸化物(SOx)を除去する方法として、石灰のスラリーや水酸化ナトリウム水溶液に吸収させて取り除く方法や、アンモニアで SOx を還元する方法がある。

㋑ 飛灰や焼却灰に含まれるダイオキシン類を無害化する方法として、400 ℃〜500 ℃ に加熱した状態で脱塩素反応を生じさせる方法や、1200 ℃〜1400 ℃ の高温条件下で飛灰や焼却灰を溶融し、ダイオキシン類を分解する方法がある。

㋒ 排水中の粒子状物質を分離する方法として、硫酸アルミニウムや塩化鉄を加え、負に帯電した粒子状物質の電気的中和や架橋作用によってフロック化した後、固液分離を行う凝集沈殿法がある。

㋓ 排水中の有機物を分解する方法として、紫外線酸化法やオゾン酸化法がある。これらの方法は、二重結合を有する物質に対して効果的であるが、二酸化炭素まで完全に分解できない場合や有機中間生成物(副生成物)が生じる場合がある。

1.㋐、㋑、㋒
2.㋐、㋒
3.㋐、㋒、㋓
4.㋑、㋒、㋓
5.㋑、㋓

 

 

 

 

 

正解.4

 解 説     

㋐ ですが
アンモニアによる還元法は「排煙脱硝技術」の代表例です。すなわち、NOx 除去技術です。脱「硫」、つまり SOx 除去ではありません。よって、㋐ は誤りです。

㋑ ~ ㋓ は妥当な記述です。

以上より、正解は 4 です。

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