問 題
糖質に関する次の記述のうち最も妥当なのはどれか。
1.単糖は、直鎖状構造よりも環状構造のものの方が存在比率が高い。キシロースなど五員環を形成するものをペントース、グルコースなど六員環を形成するものをヘキソースと呼ぶ。
2.還元糖のカルボニル基がアルコールと反応し、ヘミアセタールとなったものを糖アルコールと呼ぶ。キシリトールを始め、糖アルコールにはノンカロリーのものが多い。
3.単糖のカルボニル基が酸化され、カルボン酸となったものをウロン酸と呼ぶ。ウロン酸の例として、キチンの構成成分となるグルコサミンがある。
4. 2 分子のグルコースが aー1、4 結合したマルトースと、ガラクトースとグルコースが β ー1、4 結合したラクトースは、いずれもフェーリング液を還元する性質を示す。
5.スクロースは、糖質の中で最も甘味が強い。グルコースとフルクトースの混合糖である異性化糖は、スクロースの酵素分解によって得られる。
解 説
選択肢 1 ですが
ペントースは「5個の炭素を含む」単糖のことです。ヘキソースは「6個の炭素を含む」単糖のことです。よって、選択肢 1 は誤りです。
選択肢 2 ですが
キシリトールは、ノンカロリーではありません。糖アルコールでカロリーゼロといえば、エリスリトールがあげられます。よって、選択肢 2 は誤りです。
選択肢 3 ですが
ウロン酸とは、主鎖末端のヒドロキシメチル基 (-CH2OH) が、カルボキシル基 (-CO2H) に変わったカルボン酸の総称です。「カルボニル基が酸化」ではありません。また、ウロン酸の代表例といえば、グルクロン酸です。グルコサミンではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。
選択肢 4 は妥当な記述です。
二糖類は、スクロース以外還元性を有します。
選択肢 5 ですが
スクロースが最も甘みが強いわけではありません。また、異性化糖は、「デンプン」を原料に酵素反応により得られます。よって、選択肢 5 は誤りです。
以上より、正解は 4 です。
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