国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H28年 問56解説

 問 題     

打錠障害に関する記述㋐〜㋓のうち妥当なもののみを挙げているのはどれか。

㋐ キャッピングは錠剤の上面又は下面が帽子状に剥離する現象で、打錠用顆粒の乾燥不足により起こる。
㋑ バインディングは錠剤と臼との摩擦が大きく、打錠後の排出性が悪いために錠剤の側面に傷が入る現象で、打錠用顆粒の過度の乾燥により起こる。
㋒ ラミネーションは錠剤の中間部が層状剥離する現象で、打錠用顆粒の過度の乾燥により起こる。
㋓ スティッキングは試料の付着力が強いため、杵面に試料が付着し固結して錠剤が剥離する現象で、打錠用顆粒の乾燥不足により起こる。

1.㋐、㋑
2.㋐、㋒
3.㋑、㋒
4.㋑、㋓
5.㋒、㋓

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

㋐ ですが
キャッピングなどの打錠障害は、結合剤の不足や、滑沢剤の過剰などが原因です。顆粒の乾燥でいえば、「過度の乾燥」でおきると考えられます。よって、㋐ は誤りです。

㋑ ですが
結合剤の過剰が原因である代表的な打錠障害が、スティッキングやバインディングです。顆粒の乾燥でいえば、乾燥「不足」でおきると考えられます。よって、㋑ は誤りです。

㋒、㋓ は妥当な記述です。

以上より、正解は 5 です。

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