国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H28年 問51解説

 問 題     

局所麻酔薬に関する記述㋐、㋑、㋒のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 局所麻酔薬は、静止膜電位に大きな変化を与えることなく Na+ チャネルをブロックすることにより、活動電位の発生を抑制して麻酔作用を示す。
㋑ 合成局所麻酔薬は、血管収縮作用が強いため、局所で滞留しやすく作用時間が長い。そのため血管拡張作用のある薬物をしばしば併用する。
㋒ 角膜や粘膜の表面に局所麻酔薬の溶液を塗布することによって知覚を麻痺させる表面麻酔では、組織浸透力の強いプロカインが用いられる。

1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋑
4.㋑、㋒
5.㋒

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐ は妥当な記述です。

㋑ ですが
例外はありますが、合成局所麻酔薬の多くは血管拡張作用を有します。局所での薬物吸収を阻止し、作用時間の延長と局所麻酔薬の吸収による副作用防止を目的として、血管収縮薬がしばしば添加されます。よって、㋑ は誤りです。

㋒ ですが
プロカインは、表面麻酔に用いられません。これは、プロカインの組織浸透性が低いためです。

以上より、正解は 1 です。

参考 薬理学まとめ 知覚神経に作用する代表的な薬

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