国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H28年 問50解説

 問 題     

神経性アミノ酸に関する記述㋐、㋑、㋒のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ Lーグルタミン酸は中枢神経系に高濃度に存在し、ニューロン活動に興奮を引き起こすことから興奮性アミノ酸と呼ばれている。中枢における主要な興奮性神経伝達物質であるだけでなく、脳内アンモニアの解毒にも重要な役割を担っている。

㋑ グリシンは、脊椎動物において抑制性の神経伝達物質として機能する。脊髄運動神経にシナプス結合する介在神経はグリシンを含有しており、神経終末に活動電位が到達すると遊離したグリシンによりシナプス後抑制を生じる。

㋒ cーアミノ酪酸(GABA)は血液脳関門をほとんど通過することができず、脳内でLーアスパラギン酸の脱炭酸によって生合成される。ビタミン B12 はこの反応を触媒する酵素の補酵素であり、ビタミン B12 が欠乏すると GABA は減少する。

1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋐、㋒
4.㋑
5.㋒

 

 

 

 

 

正解.2

 解 説     

㋐、㋑ は共に妥当な記述です。興奮性アミノ酸 及び 抑制性アミノ酸についてです。

㋒ ですが
GABA は「グルタミン酸」の脱炭酸により合成されます。Lーアスパラギン酸ではありません。また、合成の補酵素は「ビタミン B6」です。B12 ではありません。よって、㋒ は誤りです。

以上より、正解は 2 です。
参考 生化学 7-3 2)

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