国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H28年 問104解説

 問 題     

二酸化炭素濃度の上昇及び気候の変動と生物・生態系に関する記述㋐〜㋓のうち妥当なもののみを全て挙げているのはどれか。

㋐ 造礁サンゴでは、海水温の上昇により共生藻類が放出されて白い骨格が見えるようになる白化現象が観察されている。

㋑ 化石燃料の燃焼により大気中の二酸化炭素濃度が上昇すると、光合成の基質濃度が増加するため、植物の光合成生産速度は永続的に上昇する。

㋒ 氷期・間氷期の長期的な気候変動の下では植物の分布の変化は起こらず、その場の新たな気候条件への適応が起きる。

㋓ 植物由来のバイオ燃料の使用は、燃焼により二酸化炭素を生じるため、温室効果ガス濃度の上昇を起こし、地球温暖化を抑制する効果はない。

1.㋐
2.㋐、㋑
3.㋐、㋒、㋓
4.㋑、㋒
5.㋓

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

㋐ は妥当な記述です。

㋑ ですが
飽和現象が見られるため、永続的に上昇はしません。よって、㋑ は誤りです。

㋒ ですが
長期的気候変動の下、植物分布変化が起きると考えられます。よって、㋒ は誤りです。

㋓ ですが
バイオ燃料使用により、原料になる植物が CO2 を吸収しているのだから、理論的には CO2 消費量が 0 になります。そのため、地球温暖化抑制につながると考えられています。よって、㋓ は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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