国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H28年 問10解説

 問 題     

植物の成長を調節する物質に関する記述 ㋐ 〜 ㋓ のうち、ジベレリン、サイトカイニンに当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

㋐ ワタの果実の落下を促進する物質として発見され、落葉・落果を促進するほか、種子の発芽
を抑えて休眠させる作用をもつ。水分が欠乏すると急速に合成され、気孔を速やかに閉ざす働
きがある。

㋑ 細胞壁の性質を変化させるとともに、細胞内への水の透過を大きくする。芽の先端などで作
られ、そこから基部側へと器官の中で方向性をもって輸送される。

㋒ 細胞分裂を促進するほか、細胞の老化の抑制、蒸散の促進などの働きもある。ある種の植物
では、切り取った葉を挿し葉すると不定芽が分化するが、この不定芽の形成を促進する働きが
ある。

㋓ イネのバカ苗病菌から分離されたが、植物自身でも作られており、茎の伸長、種子の発芽、
果実の成長などを促進する。農業分野では種なしブドウの栽培に利用されている。

 ジベレリン  サイトカイニン
1.㋐   ㋑
2.㋐   ㋒
3.㋒   ㋑
4.㋓   ㋑
5.㋓   ㋒

 

 

 

 

 

正解.5

 解 説     

㋐ ですが
「ワタの落下促進」、「気孔を閉ざす」から「アブシジン酸」です。

㋑ ですが
「水の透過性変化」、「芽の先端などで作られ」から「オーキシン」です。

㋒ ですが
「不定芽の形成促進」から「サイトカイニン」です。

㋓ ですが
「イネのバカ苗病菌から分離」、「種なしブドウ栽培に利用」より「ジベレリン」です。

以上より、正解は 5 です。

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