国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H27年 問86解説

 問 題     

ヒトのサーカディアンリズム(概日リズム)に関する次の記述のうち最も妥当なのはどれか。

1. 網膜のメラノプシン含有神経節細胞の受容した光により、睡眠と覚醒の周期が調節される。
2. 一定の環境下で自由な生活をさせると、睡眠と覚醒の自発周期はおよそ14~ 15時間となる。
3. サーカディアンリズムの中枢である松果体には、網膜のメラノプシン含有神経節細胞のインパ
ルスが直接伝わる。
4. 副腎皮質からの糖質コルチコイドの分泌は、夜間に最も高くなる。
5. 松果体からのメラトニンの分泌は、早朝に最も高くなる。

 

 

 

 

 

正解.1

 解 説     

選択肢 1 は妥当な記述です。

選択肢 2 ですが
ヒトの体内時計の周期はだいたい 25 時間です。朝の光などで修正されています。一定環境下で自由な生活中においては、だいたい 1 時間ずつずれていくことが知られています。よって、選択肢 2 は誤りです。

選択肢 3 ですが
メラノプシンが反応すると、まず視床下部の視交叉上核に信号が伝わり、さらに松果体へと信号が伝達されます。松果体に直接伝わるわけではありません。よって、選択肢 3 は誤りです。

選択肢 4 ですが
糖質コルチコイド の分泌は. 早朝に最大となり、夜が最小になることが知られています。(99-293)よって、選択肢 4 は誤りです。

選択肢 5 ですが
松果体からのメラトニン分泌は、夜になると徐々に分泌が増え、夜中に最大となります。よって、選択肢 5 は誤りです。

以上より、正解は 1 です。

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