国家公務員総合職(化学・生物・薬学)H27年 問84解説

 問 題     

エピジェネティクスに関する次の記述の㋐ ㋑ ㋒に当てはまるものの組合せとして最も妥当なのはどれか。

「マウス卵に人為的に二つの母性核、あるいは二つの父性核をもたせてその卵を発生させた場合、この胚の倍数性は ㋐ であるが妊娠中期までに致死となる。二つの㋑ をもった胚は胎盤や卵黄嚢などの胚体外組織の発生が不全となる。これは ㋒ という現象によって説明できる。」

㋐ ㋑ ㋒
1. 一倍体 父性核 リコンビネーション
2. 一倍体 父性核 ゲノムインプリンティング
3. 二倍体 母性核 ゲノムインプリンティング
4. 二倍体 母性核 リプログラミング
5. 三倍体 母性核 リプログラミング

 

 

 

 

 

正解.3

 解 説     

㋐ ですが
一つの母性核、もしくは父性核が一倍体なので、二つあれば「二倍体」です。正解は 3 or 4 です。これにより、㋑ は「母性核」とわかります。

㋒ ですが
二つの母性核で発生不全が起きるのは、発生には母由来、父由来のゲノムが両方必要であり、しかも、父母どちらか片方由来の遺伝子のみを発現させるしるしのようなものが、精子や卵子形成の際に刻まれており、片親由来の二倍体ではそのしるしがない部分において遺伝子発現が見られないために、発生不全が見られると説明できます。これをゲノムインプリンティングといいます。

ちなみに、リコンビネーションは遺伝子組み換えのことです。配偶子生成における減数分裂でおきる、遺伝子の組み換えのことです。また、リプログラミングとは、DNA メチル化などの、エピジェネティックな標識の消去・再構成のことです。

以上より、正解は 3 です。

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